2021年06月25日

島原「六兵衛」

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島原城から600mほどのところにある、昭和47年創業の「六兵衛」というお店にやってきました。お目当ては、「ろくべえ」という名の郷土料理です。なんだかヤヤコシイですね。

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寛政4年(1792年)に起こった島原大変(大地震による眉山の崩壊)で、大量の土砂が島原の城下町を埋め尽くしました。のちに食糧危機に見舞われた島原半島では、サツマイモが主食となったんですね。そんな中、深江村(現・南島原市深江町)にある農家の六兵衛という人が、保存食のサツマイモ粉を美味しく食べられるようにと、うどんのような麺料理を考案したのが始まりといわれているそうです。

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麺に熱を加えると、サツマイモに含まれる色素で黒っぽくなるのが特徴のひとつなんですね。騙されたと思っていただくことにします。

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玉子や山芋や丸天(揚げカマボコ)を載せても100円しか違いませんが、ベーシックな「ろくべぇ」(600円)を頼むことにしました。店によっては、「六兵衛」「ろくべえ」「ろくべ」などとも表記されます。

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注文してから5分も掛からずに配膳されました。具はカマボコ・チクワ・ネギのみ。麺の太さは4mmほど。結構短いのですが、「ろくべぇ」にしてはこれでも長めな方なのだそうです。つなぎに山芋を使っているという麺はかなり柔らかめで、コシや弾力といったものはほとんどありません。口の中に入れてしばらくすると、サツマイモの風味がジワジワとやってくるのが面白いですね。ほんのりとした甘味も感じられ、ちょっとスイーツを思わせるものもあります。……って、これは言い過ぎかもしれませんけどね。

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程良い塩味と甘味のある透き通ったツユは、昆布とカツオのダシがしっかりと効いていて美味しくいただくことができました。多分、好き嫌いが分かれると思いますが、個人的にはコレ……全然アリです。このような麺料理は初めてだったので、いつかまた機会があったら食べてみたいなと思いました。

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ちなみにですが、対馬にも「ろくべえ」というものが存在します。同じくサツマイモを使った麺料理なのですが、レシピが少し違ったりするんですね。しかし島原から遠く離れた対馬に何故……。詳しいことは現在も分かっていないそうです。

[参考]対馬六兵衛 ×5袋

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このあと、「鯉の泳ぐまち」と呼ばれるエリアを散策してきました。湧水が流れる水路や池などがあり、錦鯉が放流されています。

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折角なので、湧水庭園 四明荘(旧伊東家住宅)にも入ってみました。明治後期に医師の別邸として建てられたものだそうです。まるで湧水池に浮かぶような造りになっているのがステキですね。

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敷地内には大小3つの池があり、1日に3,000tもの水が湧き出ているそうです。その水で淹れたお茶をいただきながら、話し好きのお母さんと一緒にのんびりと過ごしました。

e_aji at 08:00│Comments(0) その他の麺 | 長崎県

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