2022年09月19日

結城「すだれ麩のゴマ酢和え」

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結城には「すだれ麩」という郷土食がありました。明治43年創業の渡辺製麩店たった1軒のみで製造されていたのですが、残念なことに数年前廃業してしまったんですね。ある地元の方の話によると、とても大変な作業な上、ご高齢で後継者もいなかったからだそうです。ところが……渡辺さんから作り方を伝授された方が、出身地の新潟県に戻って製造しているとのこと。

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「近くのスーパーで売ってるわよ」ということなので、教えられた「うおとみ 結城店」まで行ってみました。ちなみに渡辺さんは現在、錦鯉の養殖をしているそうです。

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ありました、ありました。……が、現在のものは冷凍されているんですね。

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元々は塩漬け乾燥された保存食的なものだったのですが、どうやら塩抜きをせず簡単に作れるよう、アレンジしたみたいです。しかし……あと2泊しなければならないので、これだと家まで持って帰れませんね。ホテルでいただくにしては量が多すぎるし……。

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念のため総菜売り場も見てみました。すると……調理されたものがあるではないですか。残りはわずか2つ。ぎりぎりセーフです。

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すぐ横には栃木県や茨城県などに見られる郷土料理「しもつかれ」もありましたが、紹介済みなので今回はスルー。「すだれ麩のゴマ酢和え」(313円)と飲み物だけを購入しました。

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クルマの中で早速いただいてみました。「すだれ麩」は、グルテンに小麦粉を加えてよく練る→薄く伸ばして塩で煮固める→すだれに広げて天日で乾燥させる……といった工程で、約1週間掛けて作るのだそうです。ゴマ酢和えは「すだれ麩」の伝統的な調理法で、冠婚葬祭……特に葬式には欠かせないものなのだとか。めでたい席の時は、これに紅ショウガを添えるそうです。

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「すだれ麩」の幅は1cmくらい、長さは10cmくらい、厚さは1〜3mmほどのバラつきがあります。ゴマとキュウリが和えられ、酢・砂糖・醤油などで味付けされています。見た目は幅の広いうどんのようですが、確かにお麩のフワッとした食感があるんですね。それほど酸っぱくはなく爽やかな優しい味わいで、ゴマの風味がイイ感じで利いています。そんなに美味しいものではないだろうと思っていたのですが、結構イケるものでした。酒のアテにも良いのではないでしょうか。

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ちなみに石川県にも「すだれ麩」と呼ばれるものがあり、加賀料理の「治部煮」には欠かせないものとなっております。詳しく書くと長くなってしまうのやめておきますが、製法が異なるんですね。画像は15年前に金沢でいただいた「治部煮」です。あまりにも雑な記事なので、リンクは張りませんでした。(笑)

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このあと、「結城紬ミュージアム つむぎの館」を見学してきました。上の画像の建物は、NHKの朝ドラ「鳩子の海」の舞台のひとつとなったところだそうです。まぁ……観てないんですけどね。

e_aji at 08:00│Comments(0) 和食 | 茨城県

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