チャンポン

2021年07月26日

小浜温泉「小浜ちゃんぽん」その2

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この日の宿泊地となる小浜温泉に到着しました。小浜温泉のローカルフードの代表格といえば、やはり「小浜ちゃんぽん」ですね。すでに紹介済みではありますが、13年も前のことなので改めていただいてみようと思います。

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誰が決めたのかは知りませんが、「小浜ちゃんぽん」は長崎三大ちゃんぽんの1つに数えられるそうです。他の2つは画像左の「長崎ちゃんぽん」と、右の「平戸ちゃんぽん」となっております。更にいうと、日本三大ちゃんぽん(※)は「長崎ちゃんぽん」「小浜ちゃんぽん」「天草ちゃんぽん」になるのだとか。「平戸ちゃんぽん」と「天草ちゃんぽん」が入れ替わっただけ……ですか。う〜ん。

※他に長崎・天草・戸畑とするサイトや、長崎・八幡浜・近江とするサイトもありました。……もう、どうでもいいや。

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100年以上前に長崎茂木港から蒸気船で往来していた湯治客によって伝わり、独自に進化を遂げたという「小浜ちゃんぽん」。13年前は供する店が20店舗近くあったはずなのですが、令和元年7月に作られた小浜ちゃんぽんマップに載っている店は14店舗(※)のみ。13年前に訪れた老舗の「蛇の目」も平成26年に閉店してしまったようですし、減少傾向にあるのかもしれません。

※内2店舗は小浜温泉のある雲仙市ではなく南島原市と福岡市です。

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「小浜ちゃんぽん」はアッサリとしたスープが多い中、今回は敢えてコッテリ系の人気店「大衆割烹 龍」に行ってみました。

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小浜は他の地域と違って生玉子をトッピングできる店が多いので、「ちゃんぽん」の並(700円)の生玉子入り(+50円)を頼みました。

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具は豚肉・小エビ・イカ・赤青はんぺん(長崎ちゃんぽんに使われるピンクと緑の練りもの)・揚げカマボコ・キャベツ・モヤシ・玉ネギ・キクラゲで、生玉子がトッピング。「小浜ちゃんぽん」の特徴のひとつでもある、殻付き小エビ(※)は10匹くらい入っています。これが香ばしくて、小さい割に意外と存在感があるんですね。

※店によっては殻付きでないこともあります。

[参考]ちゃんぽん・皿うどん用の蒲鉾

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トンコツベースのスープは、ほんの少しトロミがあって旨味がガツンとくる濃厚な味わい。たまりませんね、コレは。くたびれたおじさんには少し塩気が強めなのですが、ゴクゴクゴクゴクとついつい進んでしまいます。ちゃんぽん麺は柔らかいながらも少しムニュムニュとした、コシというのとはまたちょっと違ったイイ歯応えがあるんですね。「小浜ちゃんぽん」に多いアッサリ系とは違いますが、とても満足度の高いものでした。人気なのも頷けます。

[参考]小浜ちゃんぽん 4人前

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この日の宿はコチラ。「小浜温泉 湯宿 蒸気家」で、GoToトラベルを利用して和室1室が1泊2,860円(17時以降のチェックインプラン)+駐車場代250円。地域共通クーポンが1,000円分貰えたので、実質2,110円となりました。

↓コチラで予約しました。
小浜温泉 湯宿 蒸気家

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今回この宿を選んだのは、ご覧のような温泉の蒸気を利用した蒸し釜があるからなんですね。好きな食材を持ち込み、これで蒸し上げるんです。もちろん、宿泊客は何度でも無料で使用できます。

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11年ほど前に紹介した、画像の別府・鉄輪温泉の「地獄蒸し」と同じ調理法です。部屋でひと休みしたら、近くのスーパーで食材を買ってこようと思います。

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2021年07月12日

南島原「カレーちゃんぽん」

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道の駅 みずなし本陣ふかえからクルマを20kmほど走らせ、原城跡にやってきました。寛永14年(1637年)に起こった、島原の乱(島原・天草一揆)の主戦場となったところです。天草四郎が率いる一揆軍は廃城となっていた原城を修復して立てこもり、「具雑煮」のルーツ(諸説あります)とされるものを食べながら幕府軍の攻撃に備えたんですね。

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島原の乱のあと原城は徹底的に破壊されてしまったので、当時の城郭としては本丸周辺の石垣や空堀などがわずかに残るのみ。本丸跡には現在、天草四郎の墓や像などが建っています。

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そんな原城跡は、平成30年に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界文化遺産に登録されました。長崎市の国宝・大浦天主堂などと共に、12の構成資産のひとつとなっております。

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原城跡から9kmほどのところにある、「すだち」というお店にやってきました。島鉄フェリー乗り場の向かいにあります。

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長崎市で「カレー皿うどん」をいただいたので、今回は「カレーちゃんぽん」(750円)を頼みました。供する店は少数ですが、比較的長崎市に多く見られます。

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運ばれてくると同時に、カレーのイイ匂いが鼻孔をくすぐります。具は豚肉・イカ・赤はんぺん・キャベツ・モヤシ・玉ネギ・ニンジン・キクラゲ。アッサリ目のトンコツベーススープですが、結構カレーが効いていてなかなかインパクトのある仕上がりなんですね。思ったよりもスパイシーで、食べ進むと同時にカラダが段々ポカポカとしてきます。

[参考]ちゃんぽん・皿うどん用の蒲鉾

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チャンポン麺は少しコシがあってイイ食感。ツルツルとしていて喉越しもイイんですね。しかし……クセになりそうな旨さがあるのに、何で「カレーちゃんぽん」って広まらないんでしょうね。……不思議です。

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このあと店から6kmほどのところにある、谷水棚田まで行ってみました。棚田越しに有明海や天草諸島などを望むこともできます。先ほど見学した原城跡も、有明海の手前にチラッと見えます。

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天気はイマイチでしたが、なかなかステキなところでした。駐車場が無いので、あまりのんびりとはできませんでしたけどね。

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2021年04月07日

平戸「あごちゃんぽん」

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平戸市街地のメインストリートである宮の町本通りから平戸ザビエル記念教会まで続く、石畳の道と階段を上ってみました。その途中には、「寺院と教会の見える風景」と書かれた場所があります。瑞雲寺と光明寺の建物のすぐ向こうに、教会堂の尖塔と十字架が見えるんですね。古くから異国との交流があった、平戸らしい不思議な光景です。

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平戸ザビエル記念聖堂に着きました。昭和6年に建てられたカトリックの教会堂です。礼拝……というか拝観させていただくつもりだったのですが、コロナ禍ということで中に入ることはできませんでした。……残念。(昨年11月の話です)

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来た道を戻り、今度は松浦史料博物館へ行ってみました。鶴ヶ峯邸と称する現在の建物は、松浦家37代(最後の藩主)の私邸として明治26年に建てられたものだそうです。

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なかなか眺めの良いところで、平戸港を挟んだ対岸には平戸城を望むことができます。他に六角井戸や、樹齢400年ともいわれる大ソテツなどを観て廻りました。

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さて……前回も述べましたが、ここ平戸は江戸時代から続く焼きアゴ(トビウオ)の名産地です。朝食は「あごうどん」だったので、昼食は「あごちゃんぽん」にしてみようと思います。平戸港に面したところにある、「もりとう食堂」に入りました。ハッキリとした創業年は不明ですが、「平戸ちゃんぽん」をいただいた昭和4年創業の「めしどころ 一楽」とほぼ同時期だそうです。戦前より続く老舗なんですね。

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すぐ近くには、兼業している製麺所があります。平戸の店で供されているチャンポンのほとんどは、この森藤商店の麺が使われているのだとか。

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コチラの「平戸ちゃんぽん」のスープのダシは、鶏ガラ100%とのこと。「あごちゃんぽん」(850円)はそのスープ4に対し、アゴダシスープ6の割合で調合しているそうです。

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麺の上には、豚肉・エビ・イカゲソ・アゴの練りもの・チクワ・カマボコ・キャベツ・モヤシ・ニンジン・玉ネギ・青ネギ・キクラゲ・シイタケがタップリと載っております。こんなにも具沢山だと、食べる前から笑顔になってしまいますね。アゴ(トビウオ)の練りものって、あまり馴染みがありませんが結構イケます。

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やや太めのチャンポン麺は、柔らかめながらも少しムニュムニュとしたコシのようなものが感じられます。茶色味がかった透明なスープは、長崎系のチャンポンでは初めて見るタイプですね。少し甘味のある、円やかな優しい味わい。アゴダシ特有のクセもなく、おじさん向きともいえるアッサリとした旨さがありました。地元の方らしきお客さんのほとんどは、鶏ガラ100%の「平戸ちゃんぽん」を頼んでいましたけどね。

[参考]平戸あごちゃんぽん2人前 × 2袋セット

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2021年04月02日

平戸「平戸ちゃんぽん」

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伊万里市から43kmほどクルマを走らせ、ようやくこの日の宿泊地となる平戸市(平戸島)に到着しました。画像は後日撮影した平戸大橋です。18時過ぎに着いたので、実際は真っ暗です。

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誰が決めたのかは知りませんが、長崎三大ちゃんぽんのひとつに数えられる「平戸ちゃんぽん」。その元祖といわれる「めしどころ 一楽」というお店に行ってみました。創業はなんと昭和4年とのこと。「平戸ちゃんぽん」の特徴は、鶏ガラ+アゴ(トビウオ)ダシで、麺は「長崎ちゃんぽん」よりも太め。「佐賀ちゃんぽん」のようにエビやイカなどの魚介類は使わず、野菜がタップリ載る……といった認識だったのですが、スープに限っては一概にそうともいえないようです。

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というのも、元祖であるコチラの「平戸ちゃんぽん」は鶏ガラがベースで、アゴダシは使われていないんですね。

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その代わりに、「あごちゃんぽん」というものが別に用意されています。このように、「平戸ちゃんぽん」と「あごちゃんぽん」を分けて扱うお店は、他にも何軒か見られました。「あごちゃんぽん」は翌日に他の店でいただく予定なので、元祖の「平戸ちゃんぽん」(770円)を注文。他にオランダちゃんぽん・大漁ちゃんぽん・平戸牛ちゃんぽん・もつちゃんぽん・カレーちゃんぽん・ヘルシーちゃんぽん・鯨ちゃんぽんなんてものもございます。

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麺の上には、豚肉・白と緑とピンクのすぼ巻き(カマボコ)・揚げカマボコ・キャベツ・モヤシ・ニンジン・青ネギ・キクラゲが載っております。エビやイカなどの魚介類が入らない分、豚肉が多めなのが嬉しいですね。もちろん、シャキシャキ野菜もタップリです。

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ちなみに、「すぼ巻き」というのはコチラ。「すぼ」と呼ばれる、ストローのようなもので巻いて蒸し上げた魚の練りものです。再来週に改めて紹介しますが、平戸では「川内かまぼこ」として知られています。

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やや太めのチャンポン麺は、柔らかめでムニュムニュとした面白い食感。スープを少し吸っているのか、麺自体も美味しく感じられるんですね。鶏ガラベースのスープには豚骨も使われているそうで、アッサリとした感じがありながらも強い旨味もあり、ゴクゴクゴクゴクと止まりません。おじさんには少し塩味が強めだったのですが、ついつい飲み干してしまいました。

[参考]平戸ちゃんぽん老舗店特製 ちゃんぽん麺スープセット4人前

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後日、あるお店でこのような商品を見掛けました。ここに書かれていることがホントだとしたら、「あごちゃんぽん」の歴史はまだ浅いということですね。

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この日の宿はコチラ。「ホテル彩陽 WAKIGAWA」で、GoToトラベルを利用して14畳の和洋室(ツインのシングルユース)が2泊で8,580円。更に地域共通クーポンが2,000円分貰えたので、実質6,580円となりました。楽天トラベルのサイトには「訳ありプラン」と書かれていたのですが、どこが「訳あり」なのか全く分かりませんでした。とても広くて、眺めも良い部屋なんですけどね。もしかしたら……見える人には何か見えてしまうのかもしれません。w

↓コチラで予約しました。多分、そういう「訳あり」ではない……と思います。
ホテル彩陽 WAKIGAWA

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部屋に風呂は付いていますが、折角なので温泉大浴場を2回利用しました。たまたまかもしれませんけど、2回とも貸し切り状態でした。う〜ん。

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2021年03月19日

武雄「武雄北方ちゃんぽん」

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佐賀県の嬉野市から武雄市に向かう途中、塩田津に寄ってみました。かつて長崎街道の宿場町(塩田宿)として賑わったところで、重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

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国の重要文化財となっている西岡家住宅の内部が見学できるのは、土日祝日のみということで残念ではありましたが、塩田宿に観光客はほとんど居らず静かな宿場町歩きを楽しむことができました。

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塩田津から武雄市北方町まで、更に12kmほどクルマを走らせました。この辺りの国道34号沿いはチャンポンを供する店が多いことから、「ちゃんぽん街道」「武雄北方ちゃんぽん街道」などと呼ばれているそうです。中でも全国的に知名度の高い超人気店、昭和24年創業の「井出ちゃんぽん本店」に入ってみました。店の周りには、少し豚骨臭が漂っております。

※令和元年に九州北部を襲った記録的大雨の影響で、残念ながら「ちゃんぽん街道」の店舗数は減ってしまったそうです。「井出ちゃんぽん本店」も被害を受け、営業を再開するまで約2ヶ月掛かりました。

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ちなみにですが、サンポー食品のカップ麺「井出ちゃんぽん」には、「佐賀ちゃんぽん」と書かれています。しかしながら、北方町発祥のチャンポンということで、このブログでは「武雄北方ちゃんぽん」と呼ばせていただきます。

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ケンミンSHOWで「キクラゲが大量に載ったちゃんぽん」として紹介されていた、「特製チャンポン」(960円)を頼んでみました。細切りキクラゲを載せる店は佐賀県内にいくつも見られますが、ここが元祖となるのだそうです。

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麺の上には、生玉子・豚肉・揚げカマボコ・ピンクのカマボコ・チクワ・キクラゲ・モヤシ・キャベツ・玉ネギ・青ネギがドッサリと載っております。店によって異なると思いますが、「武雄北方ちゃんぽん」の具には豚肉や野菜やカマボコなどが使われることが多く、「長崎ちゃんぽん」のようにエビやイカなどの魚介類を使うことは少ないそうです。北方町はかつて炭鉱の町として栄えたところで、長崎から伝わったチャンポンを炭鉱の労働者向けに、安くてボリュームがあるものにアレンジしたのが始まりなのだとか。

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いろんな野菜のシャキシャキ感とキクラゲのザクザク感を楽しみながら食べ進むと、ようやく麺にたどり着きました。自家製のチャンポン麺は、柔らかめながらもモチッとしたイイ食感。ほんの少しトロッとした豚骨ベースのスープは、イヤミのない程度に濃厚で旨味がしっかりと感じられます。

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後半は生玉子を崩して美味しくいただきました。いや〜満足。さすが超人気店だけあって、ここのチャンポンはクセになりそうですね。

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ちなみに卓上にあるソースですが、チャンポンに掛けるお客さん(年配の方に多いらしい)もいるそうです。残り10分の1のところで試してみましたが、残り10分の1のところで試して良かったな……と思いました。

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