魚の練りもの系

2021年07月16日

島原「長崎の昆布巻」

2107161

今回の旅、12日目。前日に「西有家ショッピングセンター クレア」で買っておいた「昆布巻」(432円)を、朝食としてホテルの部屋でいただきました。平成23年に設立された長崎かんぼこ王国では、「昆布マキオ」という名のゆるキャラにもなっています。

2107162

ハッキリとした販売エリアはよく分かりませんが、長崎県広域に見られる板無しカマボコです。少し調べてみたところ、メーカーは長崎市や南島原市など県南部に多く見られました。長崎のお雑煮には欠かせないものでもあるそうです。

2107163

製造元は南島原市にある、明治14年創業の内田蒲鉾店となっております。前回紹介した「南蛮コロッケ」と同じメーカーなんですね。半月ほど前に紹介した、「ひろす(豆腐かまぼこ)」も製造販売しています。

2107164

14×5×3cmほどの大きさ。昆布に少しヌメリがあるので、ちょっと切りづらいですね。といっても、ちゃんとした包丁とまな板であれば問題ないと思います。旅先なので、アーミーナイフと開いた牛乳パックを使ってますから。w

2107165

ザクザク感のあるすり身に、よりザクザク感の強い昆布が巻かれていて、しっかりとした歯応えがあります。思ったよりも昆布の風味は弱めで、良く言えば上品な味わい。味付けもどちらかというと控えめなので、醤油をチョコンと付けても宜しいかと思います。見た目どおり、酒のアテにピッタリ……といった旨さがありました。

2107166

ちなみにコチラは富山県の「昆布巻」です。長崎県のものにそっくり……というか瓜二つなんですね。多分なにかしらの接点があると思うのですが、調べてみてもよく分かりませんでした。長崎県では富山県ほどの需要はないようで、スーパーに置かれている確率は1〜2割といったところでした。

2107167

コチラは富山県や石川県などでよく見掛ける「赤巻」です。昆布の代わりに着色したすり身が使われています。島根県の萩市にも「朱巻」というそっくりなものがあるので、もしかしたらこれらは北前船によって伝えられたのかもしれません。

[参考1]富山の昆布巻・赤巻
[参考2]萩の朱巻・他

2107168

富山県には他に、見た目が水色の「青巻」というものもあります。長崎県にもご覧のような「うず巻かまぼこ」「巻かまぼこ」というそっくりなものがあるのですが、「赤巻」は朱色ではなくピンク色、「青巻」は水色ではなく緑色といったビミョーな違いがあるんですね。う〜ん、何でこうなっちゃったんでしょう。……ナゾです。

[参考3]富山の青巻
[参考4]長崎の青巻

2107169

「昆布巻」を全て食べ終えてからホテルを出発。雲仙温泉に向かう途中、俵石展望所・仁田峠第二展望所・仁田峠第一展望所に寄りました。画像は第二展望所から眺めた、雲仙岳(20を超える山々で構成された火山)の最高峰となる平成新山です。

2107160

天気はイマイチでしたが、有明海に差し込む薄らとした光線がちょっぴり幻想的でした。実は風が強くて、かなり寒かったんですけどね。(昨年11月の話です)




e_aji at 08:00|PermalinkComments(2)

2021年06月30日

島原「豆腐かまぼこ」

2106301

今回の旅、11日目。全国には豆腐を混ぜた魚の練りものが、チラホラと見られます。このブログではこれまでに、秋田県の「豆富かすてら」・宮城県の「おとうふかまぼこ」・鳥取県の「とうふちくわ」・香川県の「海老ちくわ」といったものを紹介してきました。

2106302

ここ長崎県の島原地方にも同様のものが見られるので、前日に「キッチンハウスみつい ウイルビー店」というスーパーで入手しておきました。

2106303

島原地方では「豆腐かまぼこ」、または「ヒロス」などと呼ばれます。「ヒロス」というのは元々江戸時代にポルトガルから伝わった「フィリョース/Filhos」のことで、小麦粉や玉子などを使った揚げ菓子だったそうです。それがいつの間にか「飛竜頭(ひりゅうず)」……つまり「がんもどき」に変化していったのですが、島原地方には「ヒロス」という名がそのまま残り、何故か豆腐入りのカマボコに変化してしまったんですね。どうしてそうなったのかは分かりませんが、島原では100年以上も親しまれている郷土食なのだそうです。

2106304

「とうふ蒲鉾」(20円引きで192円)という商品を購入してきました。製造元は島原市にある、昭和37年創業の杉永蒲鉾店(※)となっております。他にも多くのメーカーが確認できました。

※長崎市にも同年創業の杉永蒲鉾という会社がありますが関係は不明です。

2106305

長さ150×幅50×高さ25mmほどの大きさ。主にスケソウダラを使ったすり身で、豆腐の他に細かく刻まれた昆布とニンジンが練り込まれています。メーカーによっては赤く着色したものや揚げたもの(※)、昆布の代わりにキクラゲや茎ワカメを使ったもの、具が入らないものなどもあります。

※「豆腐かまぼこ」を揚げたものだけを「ヒロス」と呼ぶ地域もあります。

2106306

カマボコらしいザクザクとした歯応えがありながらも、豆腐のふんわりとした感じも少しあります。やや甘めで塩気が少々。このままでも美味しくいただけますが、醤油にチョコンと浸けても良さそうですね。思ったより豆腐感は弱めで、カマボコ寄りの仕上がりです。個人的には酒のアテにピッタリという印象ですが、おかずにもお茶請けにも良いのではないでしょうか。

2106307

ちなみに長崎かんぼこ王国のゆるキャラ(20人もいる)に、「豆腐かまぼこ」は含まれていませんでした。島原地方だけのものだから……かもしれませんね。

2106308

ホテルを出たあと、再び武家屋敷街を歩いてきました。島原で1番のお気に入りとなっている場所です。

2106309

湧水を引いた細い水路が道の真ん中を通るなんて景観は、私が知る限りでは全国でもここだけです。もし他にもご存知の方がいらっしゃいましたら、コメント欄にて是非お知らせください。いつか必ず訪れますので。

[参考]みゆき蒲鉾本舗 とうふ蒲鉾 野菜




e_aji at 08:00|PermalinkComments(2)

2021年06月07日

長崎市「ちゃんぽん天」

2106071

今回の旅、9日目。長崎市の最南部に位置する、野母町まで行ってみました。長崎市中心部から30kmほどのところにあります。まずは東シナ海を一望することができる権現山展望公園へ。遠くには世界遺産の構成資産となっている、軍艦島(端島)を望むこともできます。約5km離れているので、実際はかな〜り小さく見えるんですけどね。

2106072

野母町の中心部まで戻ってきました。お目当ては、「ちょこ焼き」「ちょく焼き」などと呼ばる野母崎地区の郷土料理です。「峰蒲鉾店(峰商店)」で作られているらしいのですが、ネット上には廃業したという情報もありました。……確かに閉まってますね。近くにある、「まるよしストア」にも置いてありませんでした。念のため店員さんに訊いてみたところ、「売ってるところは無いんじゃないかなぁ」とのこと。そこから2kmほど離れたところにある、「野母崎ふれあい市場」にも行ってみたのですが、何故か閉まっていました。定休日ではないはずなのに……。

2106073

「ちょこ焼き」「ちょく焼き」というのは、魚のすり身・玉子・砂糖・塩などを練り合わせたものを、タコ焼きのような金型で焼き上げたものです。焼いた形が猪口(ちょこ・ちょく)に似ているため、こう呼ばれるのだとか。

2106074

長崎市中心部へ戻る途中、「みさき駅さんわ」という農水産物直売所があったので、ダメ元で寄ってみることにしました。店員さんに訊いてみたところ、「今日は入荷してないわね〜」とのこと。……ということは、入荷される日もあるってことですよね。まぁ……そうだとしても、今回の旅で入手できないことには変わりないんですけどね。

2106075

時間に余裕もあることだし、折角なので何か買っていくことにしました。竜眼(あるまど)・半月・ちゃんぽんの具などといった、長崎らしい練りものが並んでいますね。アジやキビナ(キビナゴの地方名)の唐揚げが150円、レンコダイの唐揚げがたったの200円ですか。う〜ん。

2106076

結局、「ちゃんぽん天」という練りものを購入しました。県内のスーパーだったら、どこにでも売ってそうなものなんですけどね。3枚入って360円でした。

2106077

製造元は、長崎市にある岩崎蒲鉾となっております。ちなみに今回の旅で最も多く見掛けたのは、まるなか本舗の「ちゃんぽん天」です。他に長崎蒲鉾(長崎一番)の「ちゃんぽん天」や、杉永蒲鉾の「ちゃんぽん揚げ」、個店オリジナル商品などもあります。

2106078

直径9〜10cm、厚さ7〜12mmほどの大きさ。「ちゃんぽん天」というだけあって、長崎ちゃんぽん用の麺・赤はんぺん(ちゃんぽんに使われるピンクの練りもの)・粉末ちゃんぽんスープが練り込まれています。原材料名のところには、玉ネギとニンジンも記載されていましたが確認はできませんでした。メーカーによっては、イカ・キャベツ・モヤシなどが使われたりもします。

[参考]ちゃんぽん・皿うどん用の蒲鉾

2106079

ザクザクとしたイイ食感で、しっかりとした塩味と甘味があります。具の存在感はほとんどありません(見た目の存在感はあるけど)でしたが、おかずにも酒のアテにも良さそうな旨さがありました。

2106070

まるなか本舗のものとなりますが、「ちゃんぽん天」は長崎空港でも購入することができます。しかし……人気No.2というのは、ホントなのでしょうか。

[参考]まるなか ちゃんぽん天




e_aji at 08:00|PermalinkComments(0)

2021年04月14日

平戸「あるまど」

2104141

今回の旅、4日目。長崎県・熊本県・大分県・愛媛県・高知県・沖縄県の一部地域(※)には、魚の練りものの中に茹で玉子が丸ごと入ったものが見られます。画像は4年ほど前に紹介した、高知県の「大丸」です。

※そういう食文化が昔からある地域です。全国的に見られる、個店のオリジナル商品は除きます。

2104142

昨晩いただいた「川内かまぼこ」と一緒に、「あるまど」(194円)というものを買っておきました。製造元は平戸市川内町にある、伊東蒲鉾店となっております。紹介した「川内かまぼこ」と同じメーカーですね。長崎県では、主に県北部や五島列島などで作られているようです。

2104143

大きさは子供の拳くらいでしょうか。油で揚げられた、ふんわりと柔らかい魚の練りもので、優しい甘味があります。

2104144

ハレの日の料理のひとつでもあるそうで、玉子の周りはピンク色に着色されているんですね。玉子に味付けはされていないので、醤油をチョロッと垂らして……なんてのも良さそうです。このままでも充分、美味しくいただけますけどね。ちなみに「あるまど」という名の由来ですが、オランダ語のアルマトーレ(包み込む)が語源、スペイン語のアルマード(武装する)が語源といった説があるそうです。

2104145

購入したお店ではありませんが、このようなものを見掛けました。……そうか、丸かじりが1番旨いのか。試せなかったのが、ちょっと残念です。

2104146

今回の旅では、「あるまど」と表記されたものをよく見掛けましたが、「ありまど」「まるまど」「竜眼」などとも呼ばれるようです。後日伺った佐世保市では、「アリマド」という表記を確認。大村市では、「竜眼」「あるまど」と2つ表記したお店がありました。同じ地域でも、メーカーによって呼び方が違うんですね。

2104147

宿を出て、平戸市の川内町方面に行ってみました。まずはススキが一面に広がる(昨年11月の話です)川内峠へ。眺めも良くて、とても気持ちのイイところですね。運が良ければ、壱岐島や対馬や五島列島が望めるそうです。……運が良ければ。

2104148

「川内かまぼこ」発祥の地、川内港に着きました。ホント、何も無いようなところ(失礼!)に、カマボコ屋さんが並んでいるんですね。

2104149

鄭成功記念館を見学してきました。東アジアの英雄、鄭成功の生家を再現した建物で、7歳までここで過ごしたそうです。あ、いや……あまりよく解っていないんですけどね。ボランティアの方が、いろいろと丁寧に説明してくれました。

2104140

川内港で引き返す予定でしたが、宝亀町にある宝亀教会まで行ってみました。明治31年に建てられたカトリックの教会堂です。コロナ禍で見学は外観だけと思っていたのですが、中を拝観することができました。撮影は禁止されているので、画像はありませんけどね。

[参考]熊本県 天草名物 ばくだん揚げ




e_aji at 08:00|PermalinkComments(0)

2021年04月12日

平戸「川内かまぼこ」

2104121

10日前に「平戸ちゃんぽん」を紹介したとき、「すぼ巻き」という魚の練りものの話をチラッとさせていただきました。県外にも見られますが、平戸では「川内かまぼこ」として古くから親しまれております。

2104122

平戸の川内浦という小さな漁村では、江戸時代から「はんぺん(魚のすり身を丸めて茹でたもの)」が作られていたそうです。大正時代(明治時代という説も)に入り、麦ワラで巻いて蒸すという、現在の「川内かまぼこ」の原形が誕生しました。麦ワラのことを麦スボと呼んでいたので、「すぼ巻き」と名付けられたんですね。こんな言い方は大変失礼なのですが、ホントに何も無いような辺鄙なところに、今も10数軒のカマボコ屋さん(製造業者)が残っています。戦後の最盛期には、100軒以上もあったというのですから驚きです。

※画像は翌日に現地まで行って撮ったものです。

2104123

というワケで、平戸市中心部にある「フードショップたけだ メルカド店」というスーパーで購入してきました。

2104124

「川内かまぼこ」には、エソ・アジ・アゴ(トビウオ)・イワシなどを主原料としたものがあります。定番はエソらしいのですが、今回はアジをセレクト。

2104125

製造元は平戸市川内町にある、伊東蒲鉾店となっております。たまたまかもしれませんが、5本入りでたったの288円というお値段で購入することができました。

2104126

前述した通り、昔は麦ワラで巻かれていましたが、現在はこのように硬くて短いプラスチック製のストローのようなもので巻かれています。「麦ワラが入手しづらくなった」「衛生上あまり好ましくない」などといった理由があるようです。麦ワラのことを英語でストロー(Straw)というので、話がちょっとヤヤコシイですけどね。

※ごく一部ですが、今も麦ワラを使うカマボコ屋さんが残っています。

2104127

横から見ると、こんな感じです。しかしコレ……どうやったらこんなキレイに、ストローを巻き付けられるんでしょうね。

2104128

ストローを剥がすと、こんな感じです。慣れていないこともあって、剥がすのがちょっと面倒くさかったです。しかも、5本もあるし……。大きさは4×2×6cmほど。独特な形状ですよね。

2104129

青魚らしい風味と旨味がしっかりと感じられて、とても美味しくいただけます。塩加減も丁度イイので、何も浸けなくても充分、酒のアテになりました。ただ……さすがに5本も食べると、飽きてきますけどね。

2104120

魚のすり身をこのストローのようなもので巻いて蒸したものは、長崎県・佐賀県・福岡県・山口県・島根県・愛媛県・香川県・高知県に確認できました。長崎県では比較的北部に多く見られます。平戸では「川内かまぼこ」「すぼ巻き」 「すぼ」と呼ぶことが多いようですが、地域やメーカーによっては「すまき(簀巻き)」「すまきかまぼこ」「ストかま」「つと巻き」「麦わら巻き」などとも呼ばれます。すっかり忘れていましたが、このブログでも8年ほど前に香川県の「すまき」を、4年ほど前に高知県の「すまき」をチラッと紹介していました。

[参考]川内かまぼこ




e_aji at 08:00|PermalinkComments(2)