魚の練りもの系

2021年04月12日

平戸「川内かまぼこ」

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10日前に「平戸ちゃんぽん」を紹介したとき、「すぼ巻き」という魚の練りものの話をチラッとさせていただきました。県外にも見られますが、平戸では「川内かまぼこ」として古くから親しまれております。

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平戸の川内浦という小さな漁村では、江戸時代から「はんぺん(魚のすり身を丸めて茹でたもの)」が作られていたそうです。大正時代(明治時代という説も)に入り、麦ワラで巻いて蒸すという、現在の「川内かまぼこ」の原形が誕生しました。麦ワラのことを麦スボと呼んでいたので、「すぼ巻き」と名付けられたんですね。こんな言い方は大変失礼なのですが、ホントに何も無いような辺鄙なところに、今も10数軒のカマボコ屋さん(製造業者)が残っています。戦後の最盛期には、100軒以上もあったというのですから驚きです。

※画像は翌日に現地まで行って撮ったものです。

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というワケで、平戸市中心部にある「フードショップたけだ メルカド店」というスーパーで購入してきました。

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「川内かまぼこ」には、エソ・アジ・アゴ(トビウオ)・イワシなどを主原料としたものがあります。定番はエソらしいのですが、今回はアジをセレクト。

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製造元は平戸市川内町にある、伊東蒲鉾店となっております。たまたまかもしれませんが、5本入りでたったの288円というお値段で購入することができました。

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前述した通り、昔は麦ワラで巻かれていましたが、現在はこのように硬くて短いプラスチック製のストローのようなもので巻かれています。「麦ワラが入手しづらくなった」「衛生上あまり好ましくない」などといった理由があるようです。麦ワラのことを英語でストロー(Straw)というので、話がちょっとヤヤコシイですけどね。

※ごく一部ですが、今も麦ワラを使うカマボコ屋さんが残っています。

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横から見ると、こんな感じです。しかしコレ……どうやったらこんなキレイに、ストローを巻き付けられるんでしょうね。

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ストローを剥がすと、こんな感じです。慣れていないこともあって、剥がすのがちょっと面倒くさかったです。しかも、5本もあるし……。大きさは4×2×6cmほど。独特な形状ですよね。

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青魚らしい風味と旨味がしっかりと感じられて、とても美味しくいただけます。塩加減も丁度イイので、何も浸けなくても充分、酒のアテになりました。ただ……さすがに5本も食べると、飽きてきますけどね。

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魚のすり身をこのストローのようなもので巻いて蒸したものは、長崎県・佐賀県・福岡県・山口県・島根県・愛媛県・香川県・高知県に確認できました。長崎県では比較的北部に多く見られます。平戸では「川内かまぼこ」「すぼ巻き」 「すぼ」と呼ぶことが多いようですが、地域やメーカーによっては「すまき(簀巻き)」「すまきかまぼこ」「ストかま」「つと巻き」「麦わら巻き」などとも呼ばれます。すっかり忘れていましたが、このブログでも8年ほど前に香川県の「すまき」を、4年ほど前に高知県の「すまき」をチラッと紹介していました。

[参考]川内かまぼこ




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2020年02月21日

板倉町「なまずのたたき揚げ」他

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栃木県小山市から群馬県板倉町に向かう途中、道の駅かぞわたらせ(きたかわべ)に寄り三県境を観てきました。ここが埼玉県と群馬県と栃木県の県境となるんですね。平地の三県境界というのは、全国的にも珍しいのだそうです。しかし……地味ですね。w

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道の駅から6kmほどクルマを走らせ、板倉町にある板倉雷電神社へ。1,400年以上前に聖徳太子が創建したと伝えられるお社で、関東に点在する雷電神社の総本宮とされています。まずは参拝を済ませました。

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天文16年(1547年)に建てられた末社の八幡宮稲荷神社(1つ上の画像の右下)は、群馬県に現存する最古の神社建築だそうで、国の重要文化財に指定されています。

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裏手にある社務所には、ナマズさんが祀られています。ナデナデすると、「地震を除けて自身が湧き出る」……と書かれていました。

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というワケで前回に引き続き、ナマズ料理をいただこうと思います。門前には供する店が2軒並んでいます。今回は「小林屋」というお店に入ってみました。板倉雷電神社の本社社殿が建てられた翌年の、天保7年(1836年)に創業したという老舗で、割烹旅館として営業していた時代もあったそうです。

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お目当ては「なまずのたたき揚げ」です。栃木県小山市南部では「たたきだんご」でしたが、ここ群馬県板倉町や館林市辺りでは、埼玉県吉川市と同じく「たたき揚げ」と呼ぶんですね。メニューには単品(300円)もありましたが、「なまず天ぷらとたたきあげ定食」(740円)を頼みました。他に鯉やウナギ料理などもございます。

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注文を済ますと、店のお母さんが「すぐに暖かくなりますからね」といって、石油ストーブに火をつけてくれました。「なまず天ぷらとたたきあげ定食」は、天然ナマズの天ぷら1つ・天然ナマズのたたき揚げ2つ・天ツユ・小魚煮・ご飯・豆腐とワカメの味噌汁・漬物といった内容です。小魚煮は佃煮風で、これだけでご飯が全部いけちゃいそうですね。

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「なまずの天ぷら」の身は肉厚で柔らかく、とてもシットリと仕上がっております。もちろん臭みなんてものはなく、淡白な味わいで美味しくいただけます。「なまずのたたき揚げ」は赤ん坊のこぶしほどの大きさ。頭・骨・皮ごとすり潰し、豆腐・ニンジン・シソの実・小麦粉・味噌などを練り合わせて油で揚げるそうで、表面はサクッとしています。

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生地は小麦粉が多いのか、少し蒸しパンを思わせるフワフワ感があるんですね。そこにゴリゴリとした骨が加わっていて面白い食感です。シソの実と味噌の優しい風味で、素朴な旨さが楽しめました。ちなみにこの「なまずのたたき揚げ」は、昭和の初めに六代目が考案したものなのだそうです。頭の大きいナマズは身を取っても多くの部分が残ってしまうが、このようにすれば有効活用できる……という発想は、小山市の「なまずのたたきだんご」も吉川市の「なまずのたたき揚げ」も同じようです。

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この日の宿はコチラ。館林市にある「ファインカプセルInn館林」で、1泊2,980円(カプセルルームオープン1周年記念プラン)でした。

↓コチラで予約しました。
ファインカプセルInn館林





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2020年02月19日

小山「なまずのたたきだんご」他

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栃木県小山市や群馬県館林市・板倉町辺りは、古くからのナマズ食エリアなのだそうです。まぁ、他にも海の無い県にはチラホラと見られるんですけどね。画像はナマズがウジャウジャ棲息していたという渡良瀬遊水池です。

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2ヶ月ほど前に、埼玉県吉川市の「なまずのたたき(たたき揚げ)」というものを紹介しましたが、栃木県小山市南部には「なまずのたたきだんご」と呼ばれるものがあります。

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というワケで、渡良瀬遊水池中央エントランスから12kmほどのところにある、「しんますや(新枡屋)」というお店に行ってみました。何故ここにお店が……と思えるような場所に建っています。

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あれ……一体どれを頼めばいいんだろう。「あの〜、なまずのたたきだんごが食べたいんですけど」というと、「なまずの天ぷら」などが付いた盛り合わせ(700円)を勧めてくれました。それだけというのもアレなので、「地粉手打ちそば」(500円)も頼むことに。

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揚げものは「なまずの天ぷら」2つに、「なまずのたたきだんご」が2つ。他はナス・カボチャ・ジャガイモの天ぷらといった内容です。これを塩ではなく、天ツユでいただきます。

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まずは「なまずの天ぷら」から。とてもフンワリとしたナマズの身は、水分を多く含んでいてシットリとした仕上がり。川魚特有の臭みは全く感じられず、淡白な味わいでとても美味しくいただけます。

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「なまずのたたきだんご」は、近年あまり作られなくなってしまいましたが、この辺りでは家庭料理でもあったそうです。名前の通り団子状で、直径は5〜6cmくらいあります。天然ナマズの頭や骨などを叩いてミンチ状にし、味噌・豆腐・ゴボウ・摺り下ろしたジャガイモなどを混ぜて油で揚げるそうです。埼玉県吉川市の「なまずのたたき」と同様、天ぷら用に身を取っても多くの部分が残ってしまうナマズの有効活用……というワケですね。味がしっかり付いているので、天ツユは使わずこのままいただきます。

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砕かれた骨がシャリシャリ……というよりも、ゴリゴリとしていて思った以上に存在感があります。細かく刻まれたゴボウが結構入っていて風味が良く、何ともいえない素朴な味わいなんですね。同じナマズ料理でも、「なまずの天ぷら」とは全く違った旨さがありました。

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驚いたのはコチラの「地粉手打ちそば」。蕎麦の香りがしっかりと感じられて、コシが強くムッチムチ。しかもボリュームもあるんです。これが500円とはスバラシ過ぎですね。

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もちろん、最後は蕎麦湯も楽しめます。ご主人も奥様もとても感じの良い方で、「なまずのたたきだんご」にまつわることなど、いろんなことを教えてくれました。ありがとうございます。





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2019年12月18日

吉川「なまずのたたき」

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八潮市からお隣りの吉川市に向かう途中、密厳院を参拝してきました。

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境内にある高さ約30mの大イチョウが黄色く色付いてるかな……と思ったのですが、やはり11月中旬では早過ぎたようですね。

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吉川駅前までやってきました。古くから「吉川に来て、なまず、うなぎ食わずなかれ」といわれるところで、南口には金色に輝くナマズのモニュメントがあります。

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江戸川と中川に挟まれた町で、約400年も前から川魚料理の食文化が根付いているんですね。昔は用水路や小川など、アチコチでナマズの姿が見られたそうです。昭和40年代に入ると都市化が進んで激減してしまいましたが、のちにナマズの養殖が成功したこともあって、今も「なまずの里 よしかわ」として内外にPRしております。

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そんな吉川の代表的な郷土料理は、「なまずのたたき揚げ」「なまずのたたき」などと呼ばれるものだそうです。北口にある「ラッピーランド」という、観光案内所を兼ねた特産品販売店に行ってみました。

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店内には、なまずどら焼き・なまず最中・なまずまんじゅう・なまず煎餅・なまずさぶれなどといったものも並んでいました。

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「なまずのたたき」は1パック400円。市内にある「料亭 糀家」「吉川 福寿家」「割烹 ますや」の、いずれかで作られたものが毎週金曜日のみに販売されています。今回は天保8年(1837年)創業という老舗料亭、「福寿家」のものを購入することができました。

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ナマズは頭が大きくて身が少ないので、天ぷらや刺身などで身を取ると、多くの部分が残ってしまうんですね。それを有効活用したものが、「なまずのたたき揚げ」……というワケです。吉川以外にも、同じような料理がいくつか見られます。(画像は5年ほど前に愛知県海津市でいただいた、ナマズの蒲焼きです。)

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「なまずのたたき」は、頭・骨・中落ちなどを包丁で叩いて味噌などで味付けをし、つみれ状にして油で揚げたものだそうです。「福寿家」のHPによると、玉子も使われているみたいですね。2口か3口くらいの小振りサイズのものが2個入っていて、レモンが添えられております。

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断面を見ると青魚のすり身揚げのようですが、お味の方もそれっぽいものがあります。とは言ってもナマズなので、もちろん川魚っぽい味わいもあるんですけどね。川魚特有の臭みはなく、美味しくいただくことができました。骨のシャリシャリ感も楽しめます。





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2019年07月24日

天橋立「黒ちくわ」その2

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天気がなかなか良くならないので、天橋立ビューランドに行くかどうか悩みました。……というのも、展望台にガスが掛かっていて麓からは見えない状態なんですね。そうなると当然、展望台からは天橋立が望めないということです。(画像は天橋立の松並木です)

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でも折角ここまで来たしなぁ……と思っていたら、タイミング良く雨がやみました。展望台も見えてきたので、リフトを使って天橋立ビューランドの展望台へ。画像はリフトから撮ったモノレール(料金は同じ)です。

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無事、天橋立を拝むことができました。しかし……天橋立に来たのは今回で4度目となるのですが、1度も晴れたことがないんですよね。刑事にしつこく職務質問を受けたこともあるし……相性が悪いのでしょうかねぇ。

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展望レストランの入口にある、テイクアウトコーナーを覗いてみました。

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おっ、宮津名物の「黒ちくわ」がありますね。イワシやアジなどを主原料とした少し黒っぽいチクワで、「宮津ちくわ」「いわしちくわ」などとも呼ばれます。対して宮津では、全国一般的なチクワを「白ちくわ」と呼ぶこともあります。

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焼き直してくれるので、3分ほど待つこととなりました。長さは17cm、直径は3〜4cmほどあります。7年前にいただいた「黒ちくわ」と比べると魚の風味は弱めですが、日本三景という観光地でたったの200円というお値段なのですから、全く文句の付けようがありませんね。(温めてくれる店では多分最安値だと思います)

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ザクザクとした食感と、適度な塩味と甘味でなかなかイケるものでした。天橋立を眺めながらいただくと、旨さもグッと増しますね。ただ、冷めてくるとともに香ばしさが弱まってくるので、パチパチと撮っていないでさっさと食べてしまうことをオススメします。

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展望レストランでは、先ほどいただいた「あさり丼」のみならず、あさりうどん・あさりそば・あさりのソースかつ丼・あさりのカツカレーライス・あさりのカツハヤシライスなどもいただけるようです。





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